4月から実施されている後期高齢者医療制度ですが、
国会でも混乱が続いているようです。

スタートしてすぐに、お年寄りを大切にしていない節があるということで、
長寿医療制度と名称が変更になるとかならないとか。

これまで後期高齢者医療制度として認識しているため、長寿医療制度という
名称を聞いても、「はて?」とすぐに認識できません。

日々の仕事で法律になじみのある、我々でさえこのようなありさまですから、
普通の人にとっては「なんのこっちゃわからない」状況ではないでしょうか。

そもそも、長寿医療制度が制定されることになった背景として、
日本という国の未来を見越しての法律制定であると私は思っています。

「今後日本は少子高齢化社会が進展する」

このことはみなさんも耳にタコができる程お聞きになっていると思います。
しかし、この問題の本質を理解している方は少ないと思います。

少子化高齢化として一体の物として論ぜられますが、理解のためには
少子化と高齢化の二つに分けて考えることが肝要です。

まず、少子化です。
結婚する人が減り、子どもが生まれる要因が減少する。
つまり、日本社会全体の出生率が下がると言うことです。

そして、高齢化です。
今活きている方が60歳や65歳以上の年齢となる人の割合が
増加することです。

これには、医療の発達が一つの要因でもあります。
医療が発達することでこれまで治らなかった病気が治療できるようになり、
長寿命化していることもあります。

この二つの要因を社会負担(税金の負担)ということを含めてまとめると、
これまで税金の負担をしていた人が減り、これから税金を納めてくれる人も減ることに
なります。
つまり、これまで行ってきた社会扶助ができない状況になるということです。
一つずつ考えれば当たり前のことなのですが、行政も理解してもらう努力が不足していると
感じます。でも地道に説明し、理解してもらえれば「夢物語」であることが分かるはずです。

長寿医療制度は、上で述べた背景を基にして3つの視点からの公平性の確保を目的として
制度が作られています。
・世代間の公平性の確保
 保険料の負担を現役世代に4割、長寿世代1割とし、残りの5割(半分)を税金でまかなうこととし、
 世代間の負担割合を明確に。

・長寿世代内の公平性の確保
 1割負担を求められる長寿世代は約1300万人いらっしゃいますが、このうち1100万人については
 国民健康保険料により、その経費を負担しています。しかし、それ以外の200万人の方は、
 お子さん等の扶養家族として、お子さんの健康保険でカバーされるため負担がありませんでした。
 これを是正し、同じ長寿世代内の公平性を確保しています。

・地域間の公平性の確保
 国民健康保険は市町村の管轄であるため、財政力のある自治体は独自の税金で保険料を
 補填していました。つまり、住んでいる自治体によって健康保険料が違っていたのです。
 全国で最大で5倍の格差がついていました。これをすこしでも平準化し、都道府県内では同額と
 することでより公平性の確保につながります。

この3点が長寿医療制度で目指すべき公平性です。

ないものをねだるよりも「現実に行えることを責任を持って行う」ことがこれからの政治には必要です。
「あれもこれもから」から「あれかこれか」の転換を行わなければ、日本の未来はありません。

できるだけわかりやすく書こうとしましたが、これまでの日本の社会背景や、時代の変遷、
今後の人口動態など多岐に渡る考察が必要なため、非常に複雑になっています。

「自分たちの未来は自分たちでつくる。」

今の若い世代にこそ、目を向けて考えて欲しいと思います。

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