こんにちは寺坂よしかずです。

今日は、これまでの尼崎市の財政取り組みについてお知らせしたいと思います。
色々なところで、「尼崎市は財政難だ」と言うことは皆さん耳にしたことがあると思います。
一方で、「財政難や言うて、これまで何してるんや!」と言うお声を頂きます。
尼崎市も議会もですが、行財政の取り組みを進めています。
しかし、本当に今の尼崎で起こっていることは「財政改善のスピードを上回るお金が必要なことが起こり続けている」のです。
具体的に説明していきます。
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まず、今から10年前、財政が非常に悪化し、そのままでは財政破綻をしてしまうという状況になりました。
平成14年10月時点で、
歳入:1078億円に対して、歳出:1228億円 = ▲150億円 という状況。
そして、その状況が続いた場合の5年間の収支見通しが、
   H15  H16  H17  H18  H19 (単位:億円)
歳入 1154 1065  1058 1046 1042 
歳出 1177 1224  1167 1181 1187
差引 ▲23 ▲159 ▲109 ▲135 ▲145
累積 ▲23 ▲182 ▲291 ▲426 ▲571 という将来見通しとなりました。
そこで、平成15~19年の5年間を期間とする「経営再建プログラム(以下プログラム)」という行財政の再建計画を策定。
その結果、
328の改善項目を実施、総額124億円の構造改善を行ったものの、収支均衡にならず。
         ↓
引き続き、財政再建を図るために、平成20~24年の5年間を期間とする「"あまがさき"行財政構造改革推進プラン(プラン)」という行財政の再建計画を策定。
その結果、
214の改善項目を実施、総額70億円の構造改善を行ったものの、収支均衡にならず。
以上のように、10年間で合計194億円の改善。
当初の150億円の収支不足を超える改善を行ったはず・・・。

なのに、収支均衡になっていません。

それは、はじめに書いたように、「財政改善のスピードを上回るお金が必要なことが起こり続けている」のです。
具体的には、扶助費の大幅な増加です。
生活保護費を筆頭に、社会保障関係の費用が右肩上がりに増加しています。
高齢化の中で一定伸びていくことは仕方のないことかもしれませんが、
あまりに多くの増加は、制度を支える人に対して多大な負担を与えます。
そこで、新しい考え方を踏まえ、平成25~29年の5年間を期間とする「あまがさき『未来へつなぐ』プロジェクト~持続可能な行財政基盤の確立に向けて~」という行財政の再建計画を策定されました。
このプロジェクトは、都市の体質転換に視点が置かれ、人口の世代バランスを取り戻すことを中心に進めて行きます。
あと、よく市民から聞かれる市保有の土地のことについて書いておきます。
■財源対策として行った不動産売り払いについて
これだけでは、収支不足がまかなえないため、土地などの不動産を売却してきました。
H15  H16  H17  H18  H19 H20 H21 H22 H23 H24  (単位:億円)
 25  41  43  40  11  0   0   0   0   0 合計160億円
よく、市民のみなさんから「市は市民の資産である土地を売りまくって!」とすごい剣幕で怒られます。
確かに、市民の財産である土地を売却することは慎重に行わなければなりません。しかし、全く使わない土地を持っている方が、ムダなのです。
当たり前ですが、市が、土地を持っていると、その土地には税金がかかりません。民間の方が持っていれば、固定資産税や都市計画税がかかるため、面積に応じて一定の税収があります。
つまり、塩漬けの市が保有する土地があれば、お金が入ってこず、都市空間の活用面でも問題です。
ただし、将来の都市のあり方を考え、必要な土地については持っておかなければなりません。
その理由は、現在の公共施設の集約やまちづくりの中で、必要になる施設等のために戦略的に活用していかなければならないからです。
その点をよく考えなければ、公有地の議論については本質的な議論はできません。
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今回は非常に難しいことを書きました。
たまにはしっかり仕事をしていることを示しておかなければ行けないと思いまして(笑)
しっかりと、これからも「未来を見据えてやるべき事をやる」ことを心がけて
頑張っていきます!

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