2008年6月 第15回定例会 一般質問
【質問項目】
1.市長の政治姿勢について
2.教育について
3.幼保一元化について
4.安心・安全について
5.高原ロッジについて


1.市長の政治姿勢について
【質問】まず最初に、市長の政治姿勢についてということで、マニフェスト点検会議についてお伺いします。
マニフェストは、選挙における公約の新たな形として元三重県知事の北川正恭氏が提唱し、広がってきています。そして、多くの政治家が、マニフェストを掲げて選挙戦を戦われてきております。そのような中、白井市長も、25項目にわたるマニフェストを掲げられ、再選を果たされました。
マニフェストは、従来の選挙公約とは異なり、何をいつまでにどれぐらいやるか、具体的な施策、実施期限、数値目標を明示するとともに、事後検証性を担保することで有権者と候補者との間の委任関係を明確化することを目的としています。つまり、いつ、実施時期の、予算、目標設定に、何、具体的な施策を盛り込んで実現させるかを明文化するものであり、必然的に、政権をとり、予算を制定し、行政を運営することが条件となるため、政権公約という訳が充てられ、定着しつつあります。
そして、掲げたマニフェストの検証の場として、ことし、マニフェスト点検市民会議が立ち上げられています。マニフェスト点検市民会議のメンバーは、17人の市民で構成され、公募メンバーについては、平成20年2月1日から15日までの間に公募を行い、応募者数16人の中から10人の方が選ばれ、非公募のメンバーについては、マニフェストの各分野、地域福祉、子供、産業、環境、協働、まちづくりにかかわって活動している市民会議等から7人の方に就任していただいていると伺っています。
現在のところ、4回の会議が終了しているようで、議事録を拝見させていただきました。その1回目の議事録を読んでいると、気になったことがありました。それは、この市民会議の仕事は、まず、1、どれだけ実現したかの点検、2、うまくいっていない場合、どこが悪いのか、3、ではどこを直せばいいのかも加えて、点検と原因と改善策の3点になると上げられていました。
この点検市民会議では、どれだけ実現したかの点検に関してのみ議論されるべきで、2つ目以降のうまくいっていない場合、どこが悪いのかと、うまくいっていない場合、どこを直せばいいのかということに関しては、市民すべての意見を反映しているものではなく、特定の限られたメンバーで話し合われることはふさわしくないと考えます。
さらに、マニフェストは、選挙のときに市長が市民全体に対して提示して、信託を受けたものです。また、候補者がみずから作成したもので、行政サイドが作成したものではありません。つまり、市長が政治家として出されているものということは、税金で運営されているマニフェスト点検市民会議で議論されるにふさわしくないと思われるからです。マニフェストの改善策については、市長がみずから考えるべきであります。そこでお伺いいたします。
限られたメンバーによって議論された「課題(どこが悪いのか)」と、「提案(どこを直せばいいのか)」をどのように利用するのかを具体的にお聞かせください。
また、マニフェストは、一政治家として市長が提案されているものですが、どのような軸をもって整理されているのでしょうか、適切な判断の軸を示してお答えください。

【答弁】白井市長
マニフェスト項目につきましては、優先的に取り組むべき課題であるとの認識のもと、今後もその実現に向け、市としてさまざまな取り組みを進めていかなければならないと思っております。そうした中、市民会議の皆様には、点検に加え、行政サービスの受け手としての視点、またさまざまな分野での活動を通してお持ちの知識や経験をもとに、市の取り組みに対し、なぜできていないのか、またこうすればできるのではといった御提案もいただければと考えております。
市民の視点や協働の視点からいただいた提案につきましては、市として、有効性や効率性の観点などから総合的に判断を行った上で、今後の取り組みに生かすことで、マニフェスト項目の実現へ向けた市民の参加が可能になるものと思っております。

【質問】次に、ライフプラン教育についてお伺いいたします。
平成19年度の自殺対策白書によると、昨今の自殺状況は、9年連続、全国で3万人を超えており、経済・生活問題に起因する割合も高い比率となっています。経済問題の中には、多重債務を抱えている状況も少なくありません。
内閣府、金融庁、総務省がまとめた多重債務者相談窓口向けアンケートによると、多重債務者の年齢構成、その中を見ると、20代が13.3%、30代が23.1%、40代が21.1%と、20代から40代で全体の6割弱を占めています。つまり、若年層が多重債務に陥りやすいとの傾向が読み取れます。
そのような中、本市では、多重債務について、今年度、多重債務者対策関係事業費として予算が組まれ、多重債務者対策の取り組みとして、弁護士等による多重債務特別相談の実施など相談体制の充実を図るとともに、啓発事業の実施、多重債務者対策連絡会議の運営を行っています。
確かに、多重債務に陥った方の相談を受け、救済することは、大切であると思います。しかし、根本的に多重債務に陥らないようにすることが必要ではないでしょうか。そのためには、何がリスクであるかを知ることが大切です。つまり、知識の習得である教育です。
そのような背景を踏まえ、平成18年6月の第5回定例議会で、市内の小・中・高校での金銭教育の実施状況について質問をさせていただきました。その際、本市の小・中・高等学校において、金銭教育としての実施はしておらず、社会科、家庭科あるいは技術家庭科等を中心に、また高等学校では商業の授業などで、金銭教育にかかわる内容を、児童・生徒の成長発達段階に応じて身近な内容とかかわらせ、実施をしているとの答弁がありました。これは、まるで今までのままで十分であるというような感じを受けました。
確かに、金銭教育という言葉が独特の響きを持っているため、資産をふやしたり、もうけることばかりを教えるのは、子供たちの健全な心の発達をゆがめる危険性があるとの誤解があったのかもしれません。しかし、学校で金銭教育導入を訴えたのは、さきに述べた多重債務のように、リスクを抱えることを回避するための知識を適切に学校で学ぶ必要性があると考えるからです。
さらに、自分の生活を自分で管理するという生活設計をする力をつけることは、社会に出て一社会人として生きていくためには必須の条件であると言えます。これは金銭教育というよりも、それぞれの思い描くライフプランを実現するためのライフプラン教育とも言うべきものです。みずからライフプランをどのように描けばいいのかという基礎を小・中学校で教えることで、みずからが望む人生を、より明確に、そして高い可能性、実現性を持つことができるようになるのではないでしょうか。
私が小・中学校で行うことにこだわるには、理由があります。堺市が行った生活保護世帯を調べた調査によると、生活保護世帯の58.2%が中学卒業程度、14.4%が高校中退、さらに母子世帯を調べたところ、親の学歴が中卒または高校中退が7割となっています。さらに、親子2代にわたって生活保護を受けている世帯が4割という調査結果が出ています。
つまり、ここから2つのことがわかります。1つは、多くの生活保護者は義務教育しか受けていない傾向があるということ、そしてもう一つは、生活保護世帯で育った子供は生活保護世帯に陥りやすいという、負の連鎖とも言うべきことが起こっているということです。そのような家庭内では、お金の教育ができていないのではないだろうかということが浮かび上がってきます。このような理由で、学校で、しかも義務教育期間中に金銭教育を行うことが必要であると考えます。そこでお伺いいたします。
本市の小・中学校で、社会で生きていくためのライフプラン教育を導入することはできないでしょうか、お答えください。
金融教育、金銭教育、ライフプラン教育など、呼び方はいろいろありますが、お金や金融のさまざまな働きを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて主体的に行動できる態度を養う教育でもあります。つまり、子供たちが自分の生活や社会について考え、みずからの生き方や価値観を練り上げることは、学校教育の中での大きな目標ではないでしょうか。
確かに、金融教育を行うことがだけがそれを実現できるものではないと思います。しかし、お金という現代社会で人生を送っていくために必要なものを切り口として授業を進めることにより、子供たちは、生活や社会にかかわる知識や物事をより具体的に把握し、理解することができると考えます。ぜひとも導入を要望いたします。

【答弁】保田教育長
子供たちが、将来の見通しを持ったライフプランを考えることは大切なことでございます。具体的には、学校におきましては、家庭科やら総合学習等において、小学校では、物を買うときのお金の使い方、中学校では、悪徳商法の例やさまざまな支払い方法など、消費生活について考える学習を行っているところでございます。
これらの指導をより充実させていくために、小学校での仕事探検、中学校でのトライやる・ウィークでの体験であるとか、あるいは金融機関や税務署の協力を得まして、金銭にかかわる学習を実施しております。このような体験活動を通して、社会生活を行う上での節度や節制、望ましい勤労観や職業観、生きる力の育成といったものを図っております。これらの学習を総合的に進めていくことが、ライフプランを考えていく上で大切なものであると考えております。

【質問】幼保一元化についてお伺いいたします。社会的な背景をもとに、就学前の子供に幼児教育と保育を一体的に実施する認定こども園が2006年、スタートしました。そして、1年が経過しました。文部科学省と厚生労働省の調査によると、ことし4月1日現在の認定こども園の認定件数は229件との報告がありました。都道府県別の件数として、東京都が最多の19件、続いて北海道が16件、兵庫県、長崎県が15件、秋田県、群馬県、神奈川県が12件となっています。一方、静岡、三重、京都、奈良、鳥取、島根、沖縄の7府県は、認定数がゼロという状況です。そのような中で、兵庫県の15件のうち、本市には3カ所の認定こども園が設置されており、全国的にも認定こども園の取り組みが進んでいる自治体となっています。
認定こども園には、幼保連携型、幼稚園型、保育所型と、幼稚園と保育園のいずれの認可もない地方裁量型の4タイプがあり、国は2,000件を目標としているものの、さきに述べた229件という状況で、昨年の4月1日現在の94件に比べれば倍増したものの、幼保一元化の取り組みはそれほど進んでいない状況であります。以上を背景として、何点か伺ってまいります。
まず、本市の認定こども園についての基本認識についてお伺いします。
幼保一元化の施策である認定こども園について、今の本市の考え方をお聞かせください。

【答弁】山本健康福祉局長
本市といたしましては、これまで幼稚園と保育所の既存の制度や従来の枠を超えた第三の選択肢となる総合的な施設としての認定こども園を考えておりました。しかしながら、国において、幼稚園、保育所、それぞれの法的位置づけを保持したまま都道府県による認定を受けるものとして制度化されたため、入所や制度運営において課題がございます。
一方、教育及び保育を一体的に提供するなどの機能を備えていることから、共通利用時間において、それぞれの児童が同じカリキュラムのもとで教育活動の充実が図れることなど、これまでにない大きな特徴を有しているものと考えております。

【質問】幼稚園と保育所は、子供を対象とした施設でも、違った目的を持って運営されています。運営基準や職員の資格も異なること、幼稚園の管轄は文部科学省、保育所の管轄は厚生労働省と異なるなど、難しい問題も多く抱えています。制度実施から1年が経過し、いろいろな課題や問題も出てきていると思われますが、どのような課題が出てきているのか、ヒアリングや分析はできているのかお答えください。

【答弁】山本健康福祉局長
認定こども園制度の課題につきましては、認定後1年を経過した施設に対しまして、現在、ヒアリングを実施しているところでございますが、その中では、保育に欠ける子供や保育に欠けない子供の受け入れ枠が設定されている、また補助制度が縦割りである、会計処理が明確に整理されていない、そのために施設の事務手続が膨大で煩雑となり負担が大きいといった点が課題として指摘されております。今後、こうした指摘のあった課題の詳細について分析してまいりたいと考えております。

【質問】尼崎市として、現在、どのような具体的な支援をしているのかお聞かせください。
また、今後の推進体制、認可数の目標値などを具体的にお知らせください。
人口減少社会、少子・高齢化社会の進展などの社会背景に伴い、女性の社会進出も増加してきております。そのような時代の要請で幼保一元化が進展しているという状況です。今後、ワーク・ライフ・バランスを重視する社会の到来が予見されることから、親、家族以外の第三者が面倒を見ていくということが必要となる可能性が非常に高いように感じます。そのような未来を見据え、認定こども園の今後の取り組みを支援できる体制づくりを構築していただきますよう、要望しておきます。

【答弁】山本健康福祉局長
認定こども園に関する本市の具体的な取り組みにつきましては、昨年度後半まで、県の制度運営の詳細が確定しないために実施できておりませんでした児童環境づくり推進協議会での検討を開始し、まず既存の幼稚園、保育所等との制度と比較して具体的にどのようなメリットがあるのかなどについて、ヒアリング結果などを参考にしながら、本市の考え方を整理し、それを踏まえ、支援策の必要性についても整理していきたいと考えております。

【質問】マニフェスト点検市民会議についての答弁が、ちょっとまともに返ってきていないような気がするんですけれども、私は、点検と原因と改善策をこのマニフェスト市民点検会議で検討していただくということで、その議事録を見て、点検は、そもそもマニフェストの検証だから、いいとは思うんですけれども、できていない原因とその改善策について、公募された、言ったら市民全体の意思を反映されている人たちではない市民ですよね、その人たちに改善策、原因を求めて、出てきたものを、逆に言うと、市長がそれを聞いて改善につなげていくということで、本来の市民意見、市民全体にマニフェストを提示した中で、少ない人たちの意見だけで変わっていくというのは、これはあっていいことなのだろうかということで質問をさせていただいたんですけれども、その視点というのが全然入っていなくて、再答弁をちょっとこれはいただきたいなと思うんです。
あと、軸の整理ということですけれども、一政治家としての市長の立場、それと行政のトップとしての市長の立場ということを、何をもって切り分けをされているのかということをお聞きしたかったんですけれども、そこもちょっときれいな形で答弁が返ってきていなかったと思うんですけれども、お答え願いたいと思います。

【答弁】白井市長
マニフェスト市民会議の中でいただいた意見によって、選挙時に掲げたマニフェストを変えるということではありません。あくまでも、選挙時に掲げた25項目を実現するに当たり、市を挙げて取り組むことは当然ですが、行政だけで実現できることばかりではなく、市民の参画や市民の皆さんの協力などにより、実現がたやすくなったり、やりやすかったりする項目もあります。例えばヘルスアップの健診の受診率の向上など、一つのことでございますけれども、挙げられます。会議の中で出された幅広い提案や意見を取り入れること、そのこと自体が市民の声を生かすという私の姿勢の軸となっているところでございます。
また、選挙時に掲げましたマニフェストは、就任後は市政の重要課題と位置づけて整理しているところでございます。

【質問】災害への対策についてお伺いしてまいります。
今年の5月12日に中国・四川大地震が発生し、約1カ月が経過しました。地震によって、道路や電力、水道、通信などライフラインが寸断され、6月6日現在の中国民生部の報告によると、死者は6万9,130人、負傷者は37万4,031人に上り、1万7,824人がなおも行方不明となっているという報告があります。中でも、学校校舎の倒壊が四川省だけで6,898棟に上り、校舎倒壊による教師と生徒の被害が犠牲者全体の1割を数え、学校建設における耐震基準の甘さと手抜き工事の横行が指摘されています。
本市も、1995年に阪神・淡路大震災という未曾有の災害に見舞われ、多くの人命が失われました。このことを教訓とし、災害に強いまちづくりを目指す上で、学校施設の安全性は最優先されるべきものであると考えます。そのようなことを背景として、学校施設について、るる伺ってまいろうかと思っておったのですが、2日目となり、他の方と重複しますので、その他の重複していない部分についてのみお伺いいたします。
本庁舎の耐震化についてお伺いさせていただきます。
中国・四川大地震が起こった後、市役所内を歩いていて、ふと、災害が起こった場合、市役所が災害対策本部となるはずだが、この建物の耐震は大丈夫なのだろうかと気になりました。歩いていると、古い建物ですので気になったんですけれども、それについて気になったので、万が一、倒壊でもすれば指示命令ができなくなったりするのではないかと思いましたので、そのことについて少し調べてみました。
万が一、災害が起こった場合を想定して、尼崎地域防災計画が策定されており、非常時にはそれに基づいて対応するということになることがわかりました。そして、やはり尼崎市災害対策本部室が市役所本庁舎北館4階、4-1会議室に設置されることになっていました。ここは、経営推進会議などが開かれる、企画財政局の横にある会議室になっているんですけれども、もしその会議室がある本庁舎が被害を受けた場合や災害の状況によっては、防災センターに対策本部が設置されるということが記載させておりました。
そこでお伺いいたします。
防災センターの耐震状況はどのようになっているのでしょうか。また、本庁舎、防災センターの両施設が被害を受けた場合の対応はどうなっているのでしょうか、お聞かせください。

【答弁】森総務局長
防災センターの耐震状況はどのようになっているのか、また本庁舎、防災センターの両施設が被害を受けた場合の対応はどうなっているのかといった御質問にお答えいたします。
防災センターは、災害が発生の際には、災害応急対策の拠点として活用するべき施設であることから、震度7程度の地震にも耐え得るような設計がなされており、その機能が失われる可能性は低いと考えております。
しかしながら、仮に防災センターが機能しなくなるような未曾有の大震災が発生した場合は、市域全体が壊滅的な打撃を受けていることが予想され、その場合は利用可能な施設を仮設の尼崎市庁舎として利用させていただき、災害対策本部もその場所に設置することになるものと考えられます。

【質問】救急体制についてお伺いさせていただきます。
最近、新聞やテレビなどで、救急車をタクシーがわりに使用するという問題が発生しているというニュースをよく目にしたので、本市の救急活動の状況を調べてみました。
現在の救急活動状況は、平成19年の出動件数が2万2,466件になっており、搬送された方は2万438人に上ります。1日平均61.6回の出動で56人の方が搬送されています。これは、30分に1回以上、救急車が出動していることになります。
また、現場到着時間は、平成16年には5分を切っていたのですが、平成17年には5分3秒、平成18年には5分7秒、平成19年には5分14秒と、年々遅くなってきております。一方、病院へ収容される平均時間を見ると、平成16年度は22分、平成17年度は23分31秒、平成18年は24分38秒、平成19年は26分18秒となっており、これも年々遅くなってきています。
年々、現場到着と搬送が遅くなっているのに対し、症状の程度が軽症である者は1万1,589人で、全体の56.7%を占めており、この割合は年々高くなってきております。つまり、軽症で救急車を利用しているという全国的な傾向に合致しております。
そのような状況を背景としているのか、尼崎市のホームページに「救急車を呼ぶ前に」というページがあり、軽いけがや緊急性のない安易な救急要請の増加は、命に危険を及ぼす重症疾病者への対応のおくれを招きます。救急車を要請するときには、緊急性があり、救急車以外に搬送手段がないか、もう一度考えてみてくださいと、救急車の利用についてモラルある使用を呼びかけています。軽症者の救急車利用によって、救える命が救えないという状況にならないためにも、何らかの対策が必要だと言えます。
そして、その対策として、横浜市では、昨年12月に救急条例を制定しております。この条例には、通報を受けたときに患者の状態を聞き取って、救急車の出動体制を決める通報時のトリアージを導入することも盛り込まれております。
トリアージとは、フランス語で選別を意味しており、患者の症状に応じて搬送や治療の優先順位をつけるという意味で使われております。
トリアージには、コール・トリアージとフィールド・トリアージの2つの方法があります。コール・トリアージは、今回、横浜市が採用した方法で、119番通報を受けた指令センター職員が、会話はできるか、呼吸・意識はあるか、外傷があるかなど約20項目を通報者から聞き取り、パソコンに入力し、自動判定システムで判定し、緊急性の高い患者を順に高・中・低の3段階に分け、各消防署に自動的に伝えるというシステムになっています。一方、フィールド・トリアージは、救急隊が現場まで行き、到着した救急隊員が緊急性を確認し、軽症者は自分で病院に行ってもらうなどの対応をする方法で、現在、東京消防庁で試験運用されております。
そこで、このトリアージという手法について、本市のお考えをお聞かせください。また、本市に取り入れることについての可否について、あわせてお聞かせください。課題がある場合、何が問題となるか、あわせてお答えください。

【答弁】吉田消防局長
トリアージとは、一般的には、多数の傷病者が発生した災害現場において、傷病者の重症度と緊急度の評価を行い、治療や搬送の優先順位を決定するもので、本市におきましても、平成17年4月25日に発生いたしましたJR福知山線列車事故などの集団救急事案に対しましては実施しているところであり、お尋ねのコール・トリアージやフィールド・トリアージにつきましては、増大する救急需要に伴い、市民の命を守る観点から、救急活動を実施するため、限られた救急車を有効に運用するためのものとして認識しているところでございます。
横浜市安全管理局で本年10月1日から実施されますコール・トリアージにつきましては、119番通報の内容をもとに、コンピューターにより傷病者の緊急度、重症度を識別するもので、東京消防庁で昨年6月1日から実施されておりますフィールド・トリアージにつきましては、現場に出動した救急隊が傷病者の観察、症状の聴取を行い、緊急性が認められない場合には、御自身で医療機関への受診をお願いするというものでございます。
なお、両地域でのトリアージの実施に当たりましては、学識経験者や専門医師を交えた懇話会などで十分な議論を踏まえた上で、導入に当たっては、専門医師が指令センターなどに常駐し、救急隊への指導・助言を与え、市民からは相談を受ける体制をとりながら実施されているものでございます。
また、総務省消防庁の救急業務高度化推進検討会報告書におきましても、緊急度、重症度の誤認や住民の合意形成に向けた課題、トリアージに伴う法的責任などが指摘されているところであり、本市におきましては、現在のところ導入は考えておりません。

【質問】高原ロッジについてお伺いしてまいります。
高原ロッジは、3月の予算特別委員会で、市民が自然の中で身近に憩える貴重な財産であることを踏まえ、再検討を行い、その結果を6月までに議会に報告するようにとの意見をつけ、それまでの間、高原ロッジ施設移管事業費3,292万4,000円については、執行凍結を全会派一致で行いました。
そして、今回、議案第64号 尼崎市立勤労者レクリエーションセンターの設置及び管理に関する条例を廃止する条例についてが提案されています。議案の可否については、委員会での議論を得て決定されることになると思いますが、これまでの高原ロッジの取り組みについて、これ以上、本当に対策がとれなかったのかを伺っておきたいと思います。その視点での質問を順次行ってまいります。
まず最初に、平成15年から19年までの間に高原ロッジへ休憩で訪れる人の推移は、1万7,461人、1万5,253人、1万5,629人、1万1,610人、1万1,447人と、次第に減少して推移しております。また、宿泊者の推移は、1万7,924人、1万7,195人、1万6,400人、1万4,528人、1万6,358人と、これも逓減している状況であります。このように、休憩で訪れる人の数と宿泊する人の数がほぼ同じような数字となっております。
これを踏まえてお伺いいたします。
高原ロッジは、日帰りの顧客が多いほうが経営が安定するのか、宿泊者が多いほうが安定するのか、どちらでしょうか、お答えください。

【答弁】岩田産業経済局長
高原ロッジは、勤労者の福祉と余暇の活用を図るための宿泊施設として建設いたしたものでございます。本来の設置目的が宿泊施設でございまして、また営業的にも、食事を伴う宿泊利用者が多いほうが安定した経営につながることは申すまでもございませんが、しかしながら、開館当初から、少しでも収益を上げるために、昼食を伴う団体向けの日帰りツアーを実施するとともに、こうした方々を宿泊利用につなげることを目的として、日帰りの営業も行っているところでございます。
なお、利用実態は、御指摘ございましたように、毎年、日帰り利用者と宿泊利用者がおおむね同じ割合となってございます。

【質問】一般的に、高原ロッジと同様の施設では、宿泊するお客様を増加させることにより経営が安定すると聞いております。資料を見ると、イチゴ狩りやブドウ狩り、お花見など、興味をそそる日帰りできるイベント、行事が多いのは、市民にとって大変喜ばしいことですが、宿泊を伴う行事がふえることが経営を安定させることに目下一番有効ではなかったかと考えております。
資料を見ると、高原ロッジを市報で知った尼崎市民の利用が多い結果となっております。市報以外に施設の周知方法はどのようなことを行っていたのか、お聞かせください。

【答弁】岩田産業経済局長
高原ロッジの現在のPR方法につきましては、インターネットでのホームページ掲載や予約受け付けはもちろんのことでございます。パンフレット、その他を1万部作成し、各地区の社会福祉協議会や老人クラブあるいは市内の主な公共施設で配布をいたしております。また、年3回、日刊紙への折り込み広告を行っておりますほか、タウン誌やガイドブックでの広告掲載も行っております。
こうしたことから、宿泊者アンケートの結果におきましては、ホームページとパンフレットが高原ロッジを知ったきっかけであるという答えが合わせて約15%あり、一定の効果があったと判断をいたしております。

【質問】利用率向上のために、産業振興課が市内企業に対して、高原ロッジを福利厚生に使ってもらうなどの取り組みや、イベントの際に商品にして宿泊券を出してもらったりと、利用率を向上させる取り組みを産業経済局一丸となって取り組みを行ったでしょうか、お答えください。
現在、本市では、尼崎ヘルスアップ戦略事業でメタボリック対策を行っております。高原ロッジに宿泊して、体質改善をするための宿泊講座を実施して利用率を上げることなど、庁内連携すれば、いろいろなことができたのではないでしょうか。
メタボリックの対策は、実は財政破綻した北海道の夕張市で、メタボビートキャンプin夕張と銘打ち、観光と新たな視点で見直し、現代人の多くが抱えるメタボリックを解消するための、観光足す医療足す味覚がミックスした日本初のヘルスツーリズムツアーとして売り出しているところからヒントを得ています。たばこをやめたい人のための禁煙道場の実施など、尼崎市の市民課題を解決するようなプログラムと組み合わせるなど、いろいろなアイデアが出てくるのではないでしょうか。
切迫感を持って知恵を絞れば、民間企業に売却するという結論には達しなかったかもしれません。財政破綻をしながらも、再建のためにいろいろな知恵を絞るという夕張市の姿勢を見習ってほしいと思い、この質問をさせていただきました。

【答弁】岩田産業経済局長
高原ロッジの営業活動といたしましては、御指摘がございましたように、市内の主だった企業に対しまして、新入社員の研修会や福利事業に御利用いただくよう営業活動を行っております。この結果、毎年利用していただいている企業もございます。
また、猪名川町の近辺で行われる、例えばプロのゴルフ大会でございますとか、一昨年行われました国民体育大会などの大きなイベントがあります場合には、いち早く主催団体に働きかけまして、従業員の宿泊施設などとして利用いただいておるところでございます。
さらに、本市のみならず、近隣都市の中小企業勤労者福祉共済事業においても、利用補助制度を設け、指定宿舎として活用いただいております。また、本市の職員厚生会においても、同じ制度がございます。
こうして産業経済局と勤労者福祉協会が一体となって利用促進に努めておりますが、民間の類似施設の増加や余暇活動の多様化などから、年々利用率が低下している現状でございます。

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