2014年6月 第5回定例会 一般質問
【質問項目】
■ファシリティマネジメントについて
■教育の人事制度について
■次世代を育成する仕組みについて


■ファシリティマネジメントについて
【質問】ファシリティマネジメントについてお伺いをいたします。
先日、尼崎市公共施設マネジメント基本方針(素案)が示され、本市の公共施設の方向性について一定の方向性が示されました。大きな方向性として35年で公共施設を30%以上削減する基本方針を打ち出したことで目的地が共有できたと言えますが、その実現にはとてつもない努力が必要となってまいります。市長のリーダーシップが問われることになると思いますが、持続可能なまちとして運営するためにも、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
やはり公共施設の総面積の187万平方メートル中71万平方メートル、38%を占める公営住宅と、62万平方メートル、33%を占める学校敷地をどのようにしていくかにかかっています。中でも他の公共施設と違い、公営住宅は現在お住まいの方がいらっしゃるということで、事業推進について非常に困難が発生することが予見されます。
昨年の9月議会の一般質問で、私から公営住宅の管理戸数のあり方について提案をさせていただきました。類似中核市7市の平均で管理戸数が4,858戸となることから、本市と同じ規模の自治体ならば5,000戸程度の市営住宅管理戸数となるため、本市が目指すべき住宅管理戸数は5,000戸程度とすべきで、阪神・淡路大震災の災害住宅の900戸程度と合わせ、6,000戸を本市の管理戸数目標とすべきではないかと質問を行いました。
そして、その答弁では、まず耐震性に問題のある中層ラーメン構造の住宅2,668戸の建てかえを順次実施し、3住宅の建てかえを中心に約800戸の削減とあわせて毎年の退去者が400戸程度であり、その一方で住宅困窮者に対して一定の空き家募集を行う必要があることから、6,000戸にするには約5,000戸の削減が必要であり、非常に困難な目標であるため、現在のところマスタープランの9,000戸を目指すとの答弁でありました。しかし、今回の基本方針(素案)の35年間で30%の公共施設の削減となれば、私が提案した公営住宅の管理戸数6,000戸という数字が現実的に目指すべき数字であったのではないかと考えます。これを踏まえお伺いをいたします。
今回の公共施設マネジメント基本方針(素案)で示された35年間で30%の公共施設の削減となれば、単純計算で公営住宅を7,000戸程度とすることになり、現在の目標の9,000戸からさらに2,000戸程度削減しなければならず、より困難となることが予見されると思われます。それについてどのように行っていくのか、当局の御見解をお聞かせください。

【答弁】芝都市整備局長
平成23年に策定をしました住宅マスタープランにおきましては、将来にわたる財政負担の点から、震災前には約9,000戸程度の管理戸数であったことを踏まえ、建てかえを進めることによって、耐震性能やバリアフリー性能など一定質の確保された住宅を供給するとともに、管理戸数の漸減を図っていくというふうにしております。
現在の市営住宅の管理戸数は1万887戸でありますので、公共施設マネジメント基本方針に沿って単純に30%を削減いたしますと管理戸数は7,621戸となり、さらなる削減が必要となります。そのため将来的には世帯数の動向や社会経済状況などを踏まえ、市営住宅の廃止も視野に今後検討をしてまいります。

【質問】しかし、根本的な国の法律の問題があるにせよ公営住宅が制度的に多くの問題を抱えていることについて、市民理解が得られるような形で改めていかなければならないと考えています。
まず、入居に関してであります。現在の制度ではより優先度が高い方に公営住宅を利用してもらうために、入居したくてもできない方が多数存在する一方、一度入居してしまうと長期間入居し続けるケースが多く、入居した方と入居できない方との間に不公平感が生じています。本来ならば一定年数経過後、状況判断をし、より優先度が高い方を入居させることが制度利用の公平性の観点から必要であると考えますが、そのような形になっておりません。そこでお伺いいたします。
公営住宅の本来の趣旨である一定期間の住まいという目的の達成のため、期限つき入居制度を拡充し、より多くの方に入居してもらうことにより、利用機会の公平性を高めてはどうかと考えますが、当局の御見解をお聞かせください。

【答弁】芝都市整備局長
公営住宅法は入居者の住宅困窮事情が解消されない限り居住を認めることを前提とした制度であり、基本的には一定の期間しか更新を認めない期限つき入居制度はなじまないというふうにされております。しかしながら、将来的に自助努力により住宅困窮度が解消していくと考えられる子育て世帯、新婚世帯などに対しましては、期間満了後の入居者の居住の安定確保にも十分配慮した上で、期限つき入居制度を活用できるものとされております。
今後、公共施設マネジメント基本方針素案において、市営住宅戸数を30%削減していくことに伴い、空き家募集戸数も減らしていくということになるため、市営住宅の利用機会の公平性確保の観点から、引き続き家賃滞納者への明け渡し請求や高額所得者への明け渡し促進に取り組むほか、期限つき入居制度も将来的には活用が必要であると考えております。

【質問】公営住宅は一般的に国の多額の補助金が投入されているため、自治体の判断で用途変更ができないとされてきました。しかし、公営住宅法の改正に伴い、耐用年数の2分の1を経過した場合、建てかえ、用途廃止が行えるようになりました。公営住宅でいえば35年を経過した場合は用途廃止することが可能となります。
そこで、私から1つの提案をさせていただきます。先ほども述べたように、本市の公営住宅は他都市に比べ多くの施設を保持していますが、このデメリットを逆転の発想で、本市の行財政計画であるあまがさき「未来へつなぐ」プロジェクト、持続可能な行財政基盤の確立に向けての中の持続可能な行財政基盤の確立に向け、都市の体質転換を図るとともに、税源の涵養に取り組むの政策の具体的なものとして活用できる提案であります。
お手元に配付させていただいています資料をごらんください。資料は、若者に人気のある無印良品というブランドとUR都市機構のコラボレーションで、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトについて記載しております。もともとはお手元の資料の住宅は公団住宅であります。それを無印良品とコラボレーションすることによって快適な洗練された都市生活をイメージさせ、快適な暮らしを提供させることをイメージさせて、ライフスタイルを意識する若年層をターゲットとすることが可能だと思います。そもそもリノベーションというものはリフォームより大規模な改修工事のことで、既存の骨格構造だけを残し、用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりする手法のことであります。
このプロジェクトは、URが所有する築33年から45年経過した団地をリノベーションするもので、当時のUR基準にのっとって建設されており、立地敷地内の豊かな植栽や共有スペース、通風や採光を確保する配棟計画等、今では得がたい魅力があるインフラを備えているものの、ただ築年数の古さから間取りや仕様が一部現在の暮らしにそぐわない点は否めず、入居者の高齢化も問題となっていたことから、その解決策としてリノベーションを行うことで、壊し過ぎずつくり過ぎないことで、賃貸住宅でありながら住まい手が自由に編集できる余地を残し、同時にコストを抑えているところが新しい提案となっております。今後、このような賃貸住宅が普及することで、借りて住むことの新しい価値づけの可能性を示唆する取り組みとして、このプロジェクトは昨年のグッドデザイン賞を受賞しています。
また、この若年層の定住促進策には現在の公営住宅の課題として、平均居住年数の長期化に伴う高齢化問題の解決も同時に行うことも可能であります。現在の高齢化している公営住宅に、将来的に本市に定住してほしい担税力のファミリー層の入居を促すことで、コミュニティーの再構築が図れるのではないかと考えます。そこで、お伺いいたします。
耐用年数である2分の1を超えた公営住宅を順次用途廃止し、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトのような取り組みを参考に、高齢化している公営住宅の活性化と同時に、現役世代の定住、転入促進につながる取り組みの具体策として取り組むことについて、当局の御見解をお聞かせください。

【答弁】芝都市整備局長
公営住宅の法定耐用年数は70年とされており、その2分の1を経過したものは建てかえや用途廃止が認められております。現時点で35年を経過した市営住宅は1979年以前に建設されたもので、旧耐震基準に基づいて建設をされており、その大半は耐震性が確保されておらず、エレベーターがないなどバリアフリー性能にも課題がございます。
このためURの団地リノベーションプロジェクトのような事業を行うといたしますと、耐震補強、エレベーターの設置、設備の交換、内装改修などに相当な工事費が必要になり、加えて公営住宅ではなくなりますことから、国庫補助金は活用できず全て市の単費で実施をするという必要がありますことから、その実現は非常に困難であると考えております。

■教育の人事制度について
【質問】続きまして、教育の人事制度についてお伺いを申し上げます。
ことしの4月に大阪市生野区の市立中学校が、校内人事に関する教員間の選挙など独自の規定を設けているという問題が起こり、市立学校全458校のうち101校で同様の規定があったとの報道がありました。
問題の発端となった生野区の市立中学校では校内人事に関する規定があり、教員たちが選挙管理委員会を組織し、教務主任のほか生徒指導主事や学年主任らを教員たちの選挙で選び、校長が任命すると明記され、さらに教員たちで調整委員会という別の組織もつくり、学級担任などは調整委員会の同意を得て校長が決めるというルールになっていたようであります。
このような実態について、大阪市教育委員会が4月15日から21日で実施した校内人事に関する規定の有無の調査の中で、全市立小中高校と特別支援学校の中で101校があると回答し、特に中学校では全130校中半数以上の69校に規定があることが判明し、小学校では15校、高校で14校、特別支援学校で3校が規定の存在を認めたそうであります。そして、規定があった101校中84校が実際にその規定を運用していると回答し、小学校では規定を持つ15校全てが、運用またはおおむね運用しているとの報告がなされています。以上を踏まえお伺いをいたします。
本市で大阪市のような校内人事に関する規定が存在する学校はあるのか。また、規定はなくとも運用等で実施されているような実態があるのか、お聞かせください。

【答弁】徳田教育長
本市における小中学校では、校内人事に関する規定はございませんでした。また、運用等で実施されている学校もございませんでした。ただ市立高等学校のうち1校においては校内人事に関する規定を持つ学校がありましたが、本年5月27日付の本市教育委員会からの通知に基づき、当該校の職員会議におきまして校長より、今後は校内人事に関する教職員による選挙を行わないことを徹底したところでございます。

【質問】また、一方、生野区の市立中学校には職員会議に関する規定もあり、議案は出席者の賛否の多数によって決するなどと定められており、大阪市教育委員会は、職員会議の決定が校長の校務決定権限に影響を与えていた可能性を指摘し、この規約についても全校調査を実施しております。これについても全体の約1割に当たる44校に規約があり、うち34校は規約どおりに運用されていたとの報告がありました。
今後、各校の実態を調べ、学校運営に関する校長の判断や決定に影響を及ぼすような選挙や取り決めが確認された場合には、規定や規約を廃止させる方針だそうであります。そこでお伺いいたします。
本市の教育の現場で、出席者の賛否の多数によって決定するという職員会議に関する規約等の存在はあるのか。もし存在した場合の対処についてお聞かせください。

【答弁】徳田教育長
本市における小中学校では、職員会議に関する規約はございませんでした。しかし、市立高等学校のうち1校において規約が存在する学校がございましたので、教育委員会といたしましては、学校教育法施行規則に職員会議は校長の校務執行を助けるための補助機関である旨の規定がなされていることから、規約の内容や運用方法等を精査して適切に改善するよう指導してまいります。

【意見】はい、ありがとうございました。答弁いただきました。
ファシリティマネジメントについて、公営住宅の件なんですけれども、そもそも管理戸数自体を何戸にするのか。私、公営住宅の削減の話をずっと質問で取り上げさせていただいているんですけれども、結局前提となる数自体がそもそも存在していないということは以前の質問で確認とれたんですけども、震災前の前提が、今ある戸数を震災住宅で900程度ふえていますので、震災でふえた900戸を以前に戻すという形で、そもそもその9,000戸という数が本市で必要な数なのか。それの根拠を出してくださいという形で申し上げると、それはない。
じゃ本市の必要な管理戸数、これだけ厳しい財政状況の中で一番建てかえという時期ですので、将来的に9,000戸という数に減らすというよりも、もっとしっかりと財政状況に合った形で、他都市中核市平均が5,000戸程度ということで、同じような財政状況、恐らくどこの都市も同じことだと思うんですけども、そのような数であれば、そういう形で数字を置いて削減のほうに注力していくというのが本来の改革改善のあり方かなと思います。
その部分で私のほうから、新しいイノベーションという形で若い人の転入促進を図ってはどうかということで質問をさせていただいているんですけれども、エレベーターがないとか必要であるとかというふうにおっしゃられているんですけれども、そもそも若い人ですからエレベーターが必要かどうかというと、高齢者に比べたら必要度が低い。新しい形で、かつこの尼崎という固定資産税も非常に高いまちに若い人を定住させたいというのが、行財政改革の中でそれが必要であるというふうに述べておきながら、その人たちをじゃ具体的にどうやってこの尼崎にやってきてもらうのか。シティプロモーションで魅力を伝える、じゃ伝えたところで、どういうふうなところをこの尼崎のよさを知ってもらうのか。そこを具現化していくための具体的な方策というのが、なかなか示されていないんですよね。市営住宅というものが管理戸数が多い。多都市よりも多い。その数の部分を新たな形で転換することによって使えるのではないかということで、今回のこの提言をさせていただいています。
だから、建てかえて若い人たちを招き入れるための住宅を建てろと言っているわけではなく、今あるものを、行政当局が持っている、行政が持っている資産だからこそ、それまで建てかえる、耐用年数70年までの35年間、70年間使えるかわからないですが、それまでの間を活用することによって、この住宅を若い人たちを尼崎に呼んでくる起因剤にしたらどうかという形で提案をさせていただいているので、ちょっと若干ずれているのかなと思っています。
教育人事のほうなんですけれども、私も報道でこれを見たときに、まさかうちの自治体がこういうようなことはないだろうということで思っていたんですけども、高校でまだ残っているということで、やはり本来校長、教頭の管理職のマネジメントがしっかりと発揮される形でなければ、教育に対して誰が責任をとるのか。恐らく教育委員会の根本的な制度の問題にも言及される形になると思うんですけども、こういったことが現場レベルで行っていると、本当に学力や教育の向上というのが果たせないと思いますので、しっかりと改めていただきまして、決定者、本当に最後の責任は誰がとるのかということを明確化していっていただきたいと思います。

【質問】次世代を育成する仕組みについてというタイトルで、まず子供に対する場の提供についてお伺いをしてまいります。
平成17年まで設置されていた児童館が廃止され、約10年が経過をいたします。児童館の廃止が始まった平成15年といえば、白井市長の就任と本市の危機的な財政状況の中から、経営再建プログラムという厳しい行財政改革の実施がスタートした年でもあります。
このような時代背景を踏まえた中で、児童館の廃止とこどもクラブへの移行、そしてつどいの広場事業の拡大について、一定の検証と政策のあり方について検証することが必要ではないかと考え、行政当局にお願いをしましてお手元の資料を作成していただきました。それに基づき今回の質問を行っていきたいと思います。
児童館は、児童福祉法第40条に基づく児童更生施設として子供に健全な遊びを提供する中で、その心身の健康を促進し、情操を豊かにすることを目的としており、対象としては18歳未満の児童生徒を想定しています。活動内容として、昭和40年移行に1行政区に2カ所ずつ市内12カ所に設置され、平日の午前9時から午後5時15分まで開館され、卓球、ブロック、輪投げ、オセロ等の遊具や図書を配置していました。
本市では平成15年6月に6カ所廃止され、翌16年に3カ所廃止され、17年に残りの3カ所が廃止され、児童館は完全に廃止されました。児童館の廃止に伴い設置を推進したのがこどもクラブです。小学校の放課後、土曜日、長期休業において、子供が自由に参加できる安全・安心な場所、活動場所を提供することにより、児童の自主性、社会性を育み、児童の健全育成を図る目的で設置されました。
対象としては、小学校の空き教室を利用して設置されたこともあり、全小学生となっています。活動内容としては、放課後の児童の安全で異年齢集団での遊び場の提供と、地域などのボランティアの参画を得ながら学習運動、文化活動等の遊びを提供しています。開設時間は午後1時から学校の下校時刻までで、学校休業日は午前9時から正午、午後1時から下校時刻までとなっております。本市では、平成14年度から全小学校で実施していた土曜こどもクラブ事業を年次的に拡大して実施され、平成25年11月現在、市内43校で設定されておりました。
次に、つどいの広場についてでありますが、児童福祉法第6条の3第6項の規定に基づき、地域子育て支援拠点事業として設置しているものであり、在宅で子育て中の親子が気軽に集まり、仲間づくりや情報交換などの交流を通じて、保護者の子育てに関する悩みや負担感の軽減を図るとともに、安心して子育てができる環境を創出することを目的に設置をされております。対象は乳児または幼児、おおむね4歳未満及びその保護者で、子育て中の親子の相互交流、子育てに関する悩みや不安を持っている保護者への相談援助、情報の提供、講習、講座イベントの実施などを行っています。運営については事業委託とし、平成18年度から順次実施され、現在8カ所運営され、今年度2カ所増設予定となっております。
以上のように、乳児や子供たちの居場所としての場の提供として児童館で行っていたものを、こどもクラブやつどいの広場に移行して提供していると考えることができるのではないでしょうか。
児童館が12カ所運営されていた当時の事業費予算は、約3億3,900万円でありました。そして、こどもクラブは平成24年度決算で3億3,031万2,000円となっており、児童館を運営していた当時のコストとほぼ同額となっています。それに加え、平成24年度決算ベースでつどいの広場7カ所の運営経費は3,366万3,000円となっており、金額ベースで児童館運営の事業費を超える状況となっております。そこでお伺いいたします。
児童館の廃止とこどもクラブの設置、つどいの広場の拡大という一連の場の提供という子供施策の評価について、行政の御見解をお聞かせください。

【答弁】山田こども青少年局長
こどもクラブにつきましては、児童館当時と比較し、設置箇所が市域全域に拡大し、地域の参画も得ながら児童の自主的な参加のもと、遊びや多様な体験を通して児童の健全な育成に努めているところでございます。
また、小学校敷地内に設置されている環境の中、小学校と連絡調整を図り、常に児童の状況の把握に努めるとともに、非常時に際しましても学校との連携による対応に努めているところでございます。さらに小学校区単位になったことにより、地域との連携についてもよりきめ細やかで身近なものになったものと認識しております。
こうしたことから、児童が日常通っております小学校敷地内という身近で参加しやすい、安心・安全な放課後の居場所として、より子育て支援につながっているものであると認識しております。
つどいの広場につきましては、子育て中の親の悩みや負担感の軽減を図るとともに、安心して子育てができる環境を創出するため、おおむね4歳未満の乳幼児とその保護者が気軽に集まり、仲間づくりや情報交換など交流のできる場を身近な地域に提供することを目的として設置しております。その対象が乳幼児とその保護者に特化していることら、話題や悩み、共通点が多く、相互に交流しやすいこと、地域に根づいた子育て支援グループやNPO法人等が運営しており、身近で参加しやすいこと、運営者の自主的な取り組みが、みずからの活動の広がりにもつながっていること。さらには、自主的に小児科医や薬剤師、栄養士等との専門家とも連携しながら、相談や情報提供等を行っていることなど、つどいの広場ならではの子育て支援が実践できているものと考えております。

【質問】確かに設置目的等が違うことから、今回の分析は少し乱暴な見方かもしれません。しかし、場の提供のあり方という視点で見れば一定必要なことであると考えます。なぜならば児童館を廃止してから、これまで児童館に行くことができていた中高生の居場所がなくなってしまったからであります。そして、本市の青少年施策の課題で、常に中高生の居場所をどうするのかということが議論されていますが、それに対する明確な回答は出てきていません。児童館を復活すべきだとは思いませんが、行政として中高生の居場所についてそろそろ一定の見解を整理する時期ではないでしょうか。そこでお伺いいたします。
児童館が廃止され、約10年が経過いたしますが、中高生の居場所についてどのように考えているのか、御見解をお聞かせください。

【答弁】山田こども青少年局長
青少年の居場所につきましては、平成21年度に開催した中高生を中心としたワークショップで得た意見等を踏まえ、次世代育成支援対策行動推進計画後期計画において、青少年施策の一つとして位置づけ取り組んでいるところでございます。現在、青少年センターを核としてロビーや青少年学習室のほか、青少年が優先的にグループ交流や会議のできる青少年交流室を開放し、青少年が気軽に立ち寄り、安心していることができる空間づくりを行っているところであり、その利用状況も平成22年と比較して増加しているところでございます。
また、地域におきましても、各公共施設の運営主体の御協力のもと、現在5カ所の施設の一部を居場所として開放し、平成26年度までに6カ所を目標として情報公開や情報発信などの面で青少年センターとの連携を行っているところでございます。今後も、地域の資源も有効活用する中で青少年の居場所の充実に努めてまいります。

■次世代を育成する仕組みについて
【質問】次世代を育成する仕組みについて、2項目めの学童保育についてお伺いをいたします。
学童保育では、保護者が昼間労働等による不在のため家庭において保護を受けることができない留守家庭児童に安全な場所を提供するとともに、集団生活の中での遊びを通じて情操豊かな児童を育成することを目的として行われている事業で、本市では児童ホームという名称で親しまれております。対象は市内在住の小学校1年生から3年生までの児童で、放課後に保護者が労働等により保護を受けることができない留守家庭児童で、費用負担として児童育成料及びスポーツ安全保険料が必要で、延長育成を利用される場合はさらに児童育成延長料が必要となります。
厚生労働省の調査によると、2013年5月1日現在、学童保育の数は全国で2万1,482カ所、利用児童数は88万9,205人と、近年においては施設、利用児童数ともに急増しています。2003年からの10年間では、施設数、利用児童数ともに1.6倍に増加しています。これは共働き家庭や父子母子家庭の増加などを背景に、学童保育のニーズが高まっていることのあらわれと考えられます。
また、学童保育の待機児童数は全国で8,689人とされていますが、厚生労働省の統計の待機児童の定義は、利用申し込みをしながら何らかの理由で利用できなかった児童数とされ、時間、質、料金などの面でニーズに合わず利用申し込みをせず、母親が仕事をやめてしまうケースはこれには含まれておらず、全国学童保育連絡協議会によると、2013年3月に保育所を卒園し、小学生に入学した児童数約46万人という数字に対し、学童保育に入所した新1年生は約31万人と、保育所卒園時の67%程度しか学童保育を利用していないとし、その数字には隔たりがあるとされ、同協議会では低学年の潜在的な待機児童は40万人を超え、高学年を含めるとさらに多いと指摘しております。
学童保育の問題として、施設の場所は学校の空き教室が28%、学校敷地内の専用施設が24%、過半数が小学校内に設置されているにもかかわらず、事業所管が厚生労働省となっていることが挙げられます。また、運営主体については全体の8割を占めている公立の中でも民営化された施設が多く、公立民営が43.7%と、公立公営の39.4%を上回っており、これに民立民営の16.9%を足すと民営の学童保育が全体の6割を占めております。そこでお伺いいたします。
学童保育の事業所管が厚生労働省なのに対し、施設が文部科学省所管である学校内に設置されていることの問題は発生していないのか、お聞かせください。

【答弁】山田こども青少年局長
児童ホームと学校における国の所管が異なることによる問題については、現在のところございません。今後も小学校や教育委員会と密に連携する中で、児童や保護者が放課後に安心して過ごせる環境づくりに努め児童ホームを運営してまいります。

【質問】また、全国的には公立民営が公立公営を上回っており、さらに民立民営を足すと民営の学童保育が全体の6割を占める中で、本市が公立公営で運営する理由をお聞かせください。
最近では、公立民営や民立民営の増加の要因として、2007年に全国で70カ所ほどであった民間企業による学童保育の機能を持ったサービスや新規ビジネスが、2013年度には409カ所へと増加傾向にあります。こうした民間企業の参入がふえている背景には、学童保育の平日の閉所時間が一般的に保育所よりも早いという問題により、遅くまで子供を預かってほしいという保護者の希望や就業事情に民間企業が対応している状況があります。本市も共働き世帯や父子・母子家庭の割合が多い状況を鑑みると、環境変化に伴った保育所ニーズに対応した学童保育サービスを提供することが必要ではないかとの考えに至りました。そこでお伺いいたします。
現在の厳しい財政状況の中で学童保育の質の向上を図るために、公立民営等の民間活力の活用等について当局の御見解をお聞かせください。

【答弁】山田こども青少年局長
本市が学童保育を公立公営で運営する理由、また民間活力の活用等についての当局の見解について、一括して御答弁申し上げます。
本市の児童ホームにおきましては学校の敷地内にあることから、小学校や教育委員会と密に連携する中で児童や保護者が放課後に安心して過ごせる環境づくりに努めており、公立公営であることによりこういった連携がより図られているものと考えております。また、特別な支援を必要とする児童やひとり親家庭の児童などを優先的に受け入れるなど、その役割を担っているところでございます。
一方、尼崎市子ども・子育て審議会からの基準のあり方に係る最終答申におきましては、新制度の移行に伴う受け入れ児童の増加などに対応するため、児童ホーム事業を現状どおり公設公営だけで運営するのではなく、民間の活用も有効な方法であるとの意見をいただいております。また、この6月議会に放課後児童健全育成事業、いわゆる児童ホームの施設等の認可基準に係る条例を提案させていただき、民間施設につきましても一定の質の確保を図っていこうとするものでございます。
今後、現行の児童ホームの充実を図るとともに、民間活力の導入も視野に入れ、児童ホーム事業の拡充について検討してまいります。

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